星期六, 1月 27, 2007

学力低下?

各メディアで、最近「学力低下」という表題をよく目にします。特に、ゆとり教育反対派では、ゆとりとか週五日制が学力低下を招いたというような論法を展開しています。台湾でも(世界のどこでもだと思いますが)昔のほうがよかった、という「老人」はうようよといます。



ここで、一番の問題は、「学力」とはいったい何なんだ?と言うことではないでしょうか?いろいろな種類の心理テストが、「学力」を測定できるとなっています。しかし、そのうちのどれが本当の「学力」なのでしょう?個人的には、学力なんて曖昧なものは存在しないと思います。たとえば、体力。百メートルを11秒で走れる人と、マラソンを2時間半で走れる人のどちらに体力があると思われるでしょうか?この場合、前の人は瞬発力、次の人は持久力があると普通言われるでしょう。体力として捉えるのは、大雑把に話すとき都合がいいだけではないでしょうか?このごろの子供はゲームばっかりで体を動かさないから体力がない、とか。



学力も同じようで、このごろの教育はゆとりばっかり考えて、子供の学力が落ちているというように使われているのでしょうか。語学力、推理力、創造性、計算能力(これが嫌いです:-()、問題解決能力、人間関係の機微をつかむ力、…これらは全部今言われている「学力」の一側面ではないでしょうか。これらの力はどれをとっても重要ではないでしょうか、ちょうど、体力強化の中で瞬発力と持久力どちらも大事なように。しかし、今どのような試験、特にペーパーテスト、ではこれらの力を万遍に測ることは無理です。ひとつでは無理だからいろいろな心理テストがあるのです。



大人は、政治家は、子供のある側面を、自分が見たいものを見て、自分の主張を展開しているのではないでしょうか。分数の割り算が出来ない大学生がいて大騒ぎをしたり、教育漢字がかけない高校生がいてびっくりしたり。自分たちのころはこんな高校生、大学生はいなかったとか。こんな比べ方に意味があるのでしょうか?



教育によってつける学力、その学力の本質から離れたことにばかり議論がいっているように思えてなりません。

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